小さな巣立ちと、命のバトン

先日、大切に育てた子猫が新しい家族のもとへと旅立っていきました。新しいお家での幸せを心から願いつつも、やはり一抹の寂しさが胸をよぎります。

今回の旅立ちは、息子にとって少し特別なものだったようです。
巣立っていった子猫は、我が家で生まれた子猫たちの中でも、とりわけ息子に懐いていました。息子の後をちょこちょことついて歩き、膝の上で眠り、まるで小さな弟のようでした。
習い事から帰った息子が、もういない子猫に気付きポツリとつぶやきました。

あの子、もういないんだ…

そう寂しそうな顔をする息子を見て、ふと、ある物語の一節を思い出しました。

さいとう・たかを先生の不朽の名作『ゴルゴ13』シリーズの中に、「黄金の犬」という話があります。その中で、こんな一節が出てきます。

 子供が産まれたら子犬を飼うがいい、
 子犬は子供より早く成長して、子供を守ってくれるだろう。
 そして子供が成長すると良き友となる。
 青年となり多感な年頃に犬は年老いて、死ぬだろう。
 犬は青年に教えるのである、死の悲しみを

この詩は犬について語られていますが、私は猫にも同じことが言えるのではないかと思います。

幼い頃は無邪気な遊び相手として、そして成長するにつれてかけがえのない友として、猫は私たちの人生に寄り添ってくれます。そして、いつか必ずやってくる別れの時には、命の尊さ、そして失うことの悲しみを教えてくれます。

人間同士の関係は、時として複雑です。もし心が離れてしまえば、別々の道を歩むことも選択できます。しかし、一度家族として迎え入れた猫との関係は、そう簡単にはいきません。私たちは、彼らの一生に責任を持つことになります。

だからこそ、私たちは一匹一匹の子猫たちが、生涯をかけて大切に愛してもらえる家族のもとへ旅立っていけるよう、これからも努力を続けていきたいと思っています

息子が感じた寂しさは、彼が子猫との間に育んだ確かな愛情の証です。
その小さな胸に灯った温かい気持ちを大切にしながら、私たちはこれからも新しい命と、そして新しいご家族様との出会いを繋いでいきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。